2021年10月28日木曜日

「南相馬・避難20ミリシーベルト撤回訴訟支援の会」解散のお知らせ

秋も深まってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。

さて、すでにご存じの通り、7月12日、東京地裁の鎌野真敬裁判長は、特定避難勧奨地点の指定解除について「年間の被ばく線量が20ミリシーベルトの基準を下回ることが確実だという情報を提供するもので、帰還を強制したとはいえない」として、取り消す対象にはならないと判断し、住民側の訴えを退けました。

この許しがたい判決に関する私たちの見解および裁判の経緯や意義については、別紙をご覧ください。

その後、原告の間では、控訴をめぐりさまざまな議論が交わされましたが、諸事情により控訴を見送ることにしたという連絡を受けました。これを受けて、支援の会も解散することといたしました。

いままで関心をもって裁判を支え、原告に温かい応援の声を届けてくださった皆様に深く感謝いたいます。

残念ながら控訴は見送られましたが、それでもこの裁判の意義はいささかも揺らぐことはございません。

私たちも、今後もみなさまとともに、さまざまな形で、原発事故被害の可視化や被害者の権利確立に取り組んでいく所存です。

みなさまから頂いたご寄付・会費は、原告の交通費や印刷代などに宛てさせていただきました。

支援の会の解散にあたり、口座残高124,994円は、残務整理費および南相馬市を含む福島各地で土壌汚染の測定に取り組んでいる「ふくいち周辺環境放射能モニタリングプロジェクト」に寄付することにいたしましたのでご報告します。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

南相馬・避難20ミリシーベルト撤回訴訟支援の会

事務局一同

裁判の流れ(PDF)

不当判決に怒りを禁じえない(PDF)




2021年7月12日月曜日

【不当判決!】 司法は判断を逃げた! 20ミリの不当性も、解除の違法性も、主要論点はすべてスルー!!

 この国の司法のあり方に打ちのめされる判決となりました。憤りを禁じえません。

わずか12秒。主文を読み上げるだけで逃げるように退室した鎌野真敬裁判長は、6年間も闘い続け、5時間もの道のりを18回も通った原告の顔を直視した上で、判決理由を述べることができなかったのでしょう。

司法は、20ミリシーベルトの不当性についても、解除の違法性についても判断を逃げたといえるでしょう。

東京地裁の鎌野真敬裁判長は、特定避難勧奨地点の指定解除について「年間の被ばく線量が20ミリシーベルトの基準を下回ることが確実だという情報を提供するもので、帰還を強制したとはいえない」として、取り消す対象にはならないと判断し、住民側の訴えを退けました。

特定避難勧奨地点の指定にも解除にも処分性(行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為)はないとし、「単なる情報提供」としたのです。また、解除にあたって、原告たちが被った不利益もないとしました。

被告である国がこの主張をしたときも驚きましたが、まさかそんなわけのわからない主張は通らないと思っていました。司法はそれをそのままなぞった判決を出したました。たとえば以下のような主要論点はすべてスルーしたといえます。

・解除に伴い、一定期間後ではあったが、避難勧奨に伴う公的な支援がすべて打ち切られたこと。とりわけ、住宅提供が打ち切られ、住民は帰還を余儀なくされたこと。

・ICRPが勧告している公衆の被ばく限度としての年1ミリシーベルトを反映して現在の国の被ばく防護の規制は構築されていること(例:原発の敷地境界線上の年1ミリシーベルトを守る責任を事業者に課していることなど)

・ICRP勧告では、事故後の現存時被ばく状況を1~20ミリシーベルトとして、その下方から参考レベルを選び、それを1ミリシーベルトに向けて下げるべきとしている。実際は、避難指示の指定も解除も20ミリシーベルトであり、ICRP勧告ですら守られなかったこと

・ICRP勧告や原子力安全委員会の文書、原子力災害対策本部の避難指示解除の用件で求められていた「住民との協議」がまったく行われず、住民の反対を無視して解除されたこと

・解除の空間線量率(3.8マイクロシーベルト/時)の計算式は、屋内を屋外の0.4であるとして計算されているが、実際には屋内屋外の差は平均0.7くらいで、実際は屋内の方が屋外よりも高い例もあったこと

こちら判決および判決要旨です。

http://minamisouma.blogspot.com/p/blog-page_89.html

国のあまりといえばあまりな20ミリシーベルト基準に、真っ向から立ち向かった原告のみなさんの勇気は決して無駄になったわけではありません。

この裁判で多くのことが明らかになりました。心から感謝したいと思います。

(南相馬避難20ミリシーベルト基準撤回訴訟支援の会事務局/FoE Japan  満田)

※南相馬避難20ミリシーベルト基準撤回訴訟とは

2014年12月、政府は、南相馬市の特定避難勧奨地点について、年間積算被ばく線量が20ミリシーベルトを下回ることが確実になったとしてすべて解除し、その後順次支援策や賠償を打ち切りました。


これに対して、地点に指定されていた世帯や近隣の世帯合計808名が、解除の取消しなどを求めて、2015年4月および6月に、国(原子力災害対策現地本部長)を相手取って提訴しました。

裁判では、年間20ミリシーベルトという基準による特定避難勧奨地点の解除の是非が争われました。

原告は、年間20ミリシーベルト基準での特定避難勧奨地点の解除は、次の3点から違法であると主張し、その取消し等を求めました。

1)公衆の被ばく限度が年間1ミリシーベルトを超えないことを確保するべき国の義務に反する。

2)政府が放射線防護の基準として採用している国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に反する。

3)政府が事前に定めた解除の手続(新たな防護措置の実施計画の策定、住民等の意思決定への関与体制の確保)を経ることがないまま解除を強行した。






2021年6月9日水曜日

判決期日:7月12日(月)15:00~、事前集会は13:10@日比谷コンベンションホール

【修正】東京地裁の傍聴券交付情報では整理券交付締切が2:40になってます。抽選になる可能性がありますので、傍聴ご希望の方は東京地裁にて2:40までに整理券をお受け取りください。お詫びして修正いたします。


延期されていた判決期日ですが、7月12日(月)15:00~になりました。

当日の流れは以下のように予定しています。

〇事前集会 13:10-14:10

 場所:日比谷コンベンションホール(東京地裁から徒歩10分ほどです)

 内容:訴訟の経緯とポイント、南相馬の放射能汚染の実態 など

 先着:100名

※FoE JapanのYouTubeにて配信予定です。

https://www.youtube.com/user/FoEJapan


〇判決 15:00 場所:東京地裁 103号法廷

東京地裁の傍聴券交付情報では整理券交付締切が2:40になってます。抽選になる可能性がありますので、傍聴ご希望の方は東京地裁にて2:40までに整理券をお受け取りください。

〇報告集会 16:00頃~17:30 

 場所:日比谷コンベンションホール




2021年6月1日火曜日

6月10日の判決期日は延期に

6月10日の判決期日は延期になりました。7月で日程を再調整しているそうです。正式決定になったらまたご連絡します。

2021年3月3日水曜日

判決期日…2021年6月10日午後3時に!【→延期になりました】

【延期になりました】

 延期されていた判決の期日ですが、判決期日…2021年6月10日午後3時になりました。

当日の集会などの情報、決まり次第アップします。ぜひ応援に来てください。

2021年1月23日土曜日

2月3日の判決は延期になりました

2月3日に予定されていた南相馬避難解除訴訟の判決期日ですが、緊急事態宣言発出に伴い、原告の上京が困難になったことから、延期になりました。

期日が決まり次第、お知らせします。

2020年8月21日金曜日

8月27日(木)結審期日の予定が決まりました!

南相馬・避難20ミリシーベルト撤回訴訟支援の会からのお知らせです。

お知らせしました通り、南相馬避難解除訴訟の結審は、8月27日(木)14:00からになります。

傍聴席は36席に限定され、傍聴券の配布・抽選は行われず、座席は先着順になるということです。

報告集会は、日比谷公園にある日比谷コンベンションホール(図書館の地下1F)で行います。傍聴できなかった方は、こちらにお回りください。東京地裁から徒歩10分程度です。

当日のスケジュールは以下の通りです。

13:00~13:30 東京地裁前でアピール

14:00~    口頭弁論(東京地裁103)※先着36席

※傍聴できなかった人は日比谷コンベンションホールへお越しくださいhttps://www.library.chiyoda.tokyo.jp/hibiya/#access


                      事前集会(いままでの裁判の振り返りなど)

15:00~16:30 報告集会(日比谷コンベンションホールにて)先着80名

                      原告団長あいさつ
                      弁護団からの報告 
                      原告からメッセージ  
                      支援の会より