2016年2月8日月曜日

第2回裁判報告/傍聴者からのさまざまなメッセージ


1月13日に行われた「南相馬・避難20ミリシーベルト撤回訴訟」第2回期日には、たくさんの人たちにお集まりいただき、本当にありがとうございました。
12時から行われた経産省前の抗議行動および地裁前アピールでは、22名の原告および支援者が終結し、「20ミリ撤回!」「1ミリ守れ!」「暮らしを返せ!」「子どもを守れ!」の声がこだましました。

14時からの口頭弁論では、以下のようなやりとりがありました。
・被告側は、特定避難勧奨地点の解除「処分性」(「行政庁の処分その他公権力の行使」)はないと主張する書面を提出。
・弁護団からは、それに対する反論(処分性はある。原告はさまざまな実害を受けているなど)。

福田弁護士より:国が住民の意見をきかずに避難勧奨地点を解除したのが問題の元凶。
住民の意見をきかないという同じ轍を、裁判所がふまないでほしい。原告団の小澤さんからの発言を許してほしい。

原告の小澤さんより:
- 808人の原告が、生活実態を訴える機会を奪わないでほしい。
- 先週測定の通学路の土壌は、放射線管理区域基準の100倍以上
- ここで子どもたちを育て続けていいのか。
- いまも住民は被ばくをし続けている。そうした実状をぜひ知ってほしい。

裁判長の発言:
- 裁判所はこの裁判をとても重要だと思っている。
- 原告のおかれている状況を理解しないうちに判断を下すことはない。
- 裁判には段階というものがあることを理解してほしい。今後、論点の中で陳述してもらう局面は必ずでてくる。
- 信頼関係を築いていきたい。

報告集会においては、弁護団、原告からの報告に加え、ちくりん舎の青木さん、たまあじさいの中西さんによる、蕨平の放射性ごみの「再資源化」施設の問題点による特別報告をいただきました。以下にパワーポイントのPDFをアップしました。
https://dl.dropboxusercontent.com/u/23151586/160113_warabidaira.pdf

以下、傍聴してくださったみなさまから頂いたメッセージです
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「原告の意見に耳を傾けて」とした裁判長の言葉を信じながら今後の裁判を見守っていきたい。(Nさん、東京都)

裁判長が、「この裁判は重要、原告の意見に耳を傾けていきたい。それなしには判断しない」と原告の方をみて発言したのには、いい意味で驚きました。私が傍聴した裁判で、こんなことははじめてでした。
期待しすぎることは禁物ですが、裁判長がよい発言したことを評価して、それを実行するようにせざるをえない空気をつくったらどうでしょうか?
傍聴席から野次がとんだことは残念でした。野次は、裁判所がひどい判決をくだそうとするときまでとっておいたほうがいいと思います。
原告のみなさん、弁護団のみなさん、がんばってください。(Aさん、埼玉県)

内閣府は、「原子力災害対策特措法」に基づいて帰還を進めているとしていますが、この特措法には20mSvの数の記載はなく、原子力規制委員会で決定したWGH25.11.20の『帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的な考え方』に基づいているとしています。
内閣府のWG(長龍氏らが座長)で、これを追認した形で法的根拠はまったくありません。山本太郎議員の質問主意書の回答でも避難区域・避難区域外とも周辺監視区域外に相当すると回答しています。(Sさん、福島県)

敵は国や東電であって裁判官ではありません.裁判官を味方につけるよう努力しなければならないのですから,最初からヤジというのは良くないのでは。これからもできるだけの応援をしたいと思います。(Sさん、東京都)

裁判所で:傍聴席からの発言等について、裁判長から度々忠告されました。誰もが発言したい、拍手したい、という思いで一杯なのですが、裁判長の心証を悪くするのはマイナスです。ここはじっと我慢して、皆で裁判長を「ニラム」作戦はどうでしょうか?
説明会で:弁護士の説明はもっともっとわかりやすく!難しいことですがよろしく!
<原告からの発言>深刻な事態は続いていると痛感します。「ひだんれん」の力を結集して改善へ、一刻も早く!その為には全国民に現状を知らせなければなりません。
南相馬は原発の恩恵は受けていないのに・・・という発言は危険です。恩恵を受けてた地域の人も守らねばなりません。
<原告からの発言><蕨平の報告>は安倍首相に送るべし。現地を見せるべし。(Iさん、東京都)

傍聴席から発言がありましたが、最初から裁判所に対して不信感を示すのはいかがなものかと感じました。裁判所を味方につけるにはどうしたら良いかを考えるべきだと思います。小澤さんの怒りも理解できますし、難しいことは重々承知していますが。(かつて国相手の行政訴訟で苦心した者としての意見です) (Yさん、東京都)

蕨平の焼却炉の件は参考になりました。ありがとうございます。(Hさん、千葉県)

1枚のビラを手に本日参加させていただきました。皆さんの美しい故郷に放射能がふりつもり続ける現実を、直視していこうとする南相馬の方々の気持ちに本日ふれることができました。神奈川も準被曝地域ですが、汚染に対する意識は私の周囲ではあまり感じられません。個々人の基準で生活しているのが現実です。20ミリシーベルト問題も話題にのぼってきません。あらためて、この問題を自分に引きつけて考えていこうと思いました。(Jさん、神奈川県)

三権分立に大ギモン。裁判所は国の肩を持っていると感じる。放射能被曝は福島被害者だけの問題ではない。国(政治家)は国民の立場で解決すべきだ。問題解決の原因が明確になるまで原発再稼働すべきではない。まして2020オリンピックは返上すべき。海外への情報発信は重要な手段である。(Tさん、東京都)

裁判所が原告による意見陳述を認めないことに憤慨した。裁判所が状況を理解したいというのであれば、先ず原告本人の陳述を聴くべきである。また、現地で実態を見るべきで、現地進行協議等を開くべきである。(Sさん、東京都)

裁判は出ていませんでした。弁護士、原告、特別報告の方たちの話、とても具体的で良かったです。(裁判じたいはまだよくわかりませんが) (Yさん、東京都)

傍聴には何度か来ていますが、今日の裁判長の言動、しぐさにはびっくりしました。顔色うかがい、言語明瞭、イミ不明。司法がここ迄来たのかと暗たんたる思いです。三権分立がおかしいなら国民主権でふんばらないといけません。当たり前だと、淡々と。(Mさん、埼玉県)

原告の意見陳述が認められず残念です。20ミリシーベルトという危険な基準そのものを問う、重要な裁判を起こして下さいまして感謝します。(Fさん、神奈川県)

大変勉強になりました。是非次回も参加したい。(Tさん、東京都)

小澤さんが裁判長に求めていた早期「仮処分」の可能性はどうなのでしょうか?おっしゃるように被ばくは続いているのですから。(Yさん、東京都)

「今、現在被害を受け続けている」のだから、裁判所は仮処分を出して欲しい、との原告の主張は全く正しい。もっと強く主張すべき。(Tさん、東京都)

私たちは今も不要な被ばくを受け続けているという状態を、裁判所は真摯にうけとめてほしい。裁判の解説と特別報告ありがとうございました。(Hさん、東京都)

信頼関係を結びたいといいつつ意見陳述を認めないという態度は訳わからない。でも、弁護士さんは一筋の光にも明るい期待を抱くものだと思います。だから、きっと勝つこともあるのでしょうネ。(Kさん、東京都)

裁判所と報告会に多くの市民が参加した。多くの人が参加すると元気になります。20ミリシーベルトを下回ったから安全で帰還せよというのはとんでもないデタラメな政策です。チェルノブイリ事故のその後の情勢からも明らかなように、深刻な健康被害の出るレベルの汚染です。裁判官は国の政策をただ追認するのではなく、正しいことを判断してほしい。(Mさん、千葉県)

わずか、35分程度で裁判が終わったことにがっかりし、また、憤りがわきました。20mSvがいかに理不尽なものか裁判の中で明らかにしていければと思います。(Hさん、神奈川県)